S-House

住宅の設計は、間取りについての会話から始まることが多い。このわかりやすいフォーマットは議論を共有するためにはたいへん便利だが、一方で計画の可能性を狭めてしまうという問題点もある。この住宅は「廊下」と「玄関」というnLDKの中には登場しない部分にフォーカスすることで、nLDKフォーマットを踏襲しつつもその可能性を拡げられるのではないかと考えた。ちょっと大きく作られた玄関と廊下が、部屋の中には納まりきらない家族の活動をサポートし、生活の幅を豊かに拡げている。

Date:2008
Site:東京都
共同設計:MS4D、ASD(構造)
施工:諫早建設株式会社