T-House

郊外に建つ個人住宅。建築にまつわる様々な与件は複雑であり、全てを一気に解決する全体的・統括的な方法よりも、それぞれの与件に対してローカルに解答を用意できるような仕組みを設定することが重要であろう。最初から全体性を志向せず、小さな単位で問題を丁寧に解決し、結果として全体が導かれるように設計を進めた。小さな構成単位が偶発的に集積することでもたらされる全体像は、結果として多くの凹凸を持つものとなり、通風・採光をはじめ内部と外部の接点を数多く確保できる。そのため、家の様々なところから、様々かたちで外部と接する機会を得ることを可能にしている。外的要因を遮断するのではなく、上手く取入れることで室内の環境を向上させている。

Date:2009
Photo:山岸剛
共同設計:Structused Environment(構造)
施工:株式会社栄港建設